図書館類・総合研究所ブログ

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「13人のドイツ・コミック作家展」

「13人のドイツ・コミック作家展」 行ってきました

 

武蔵野美術大学美術館 展示室2

展示開催期間:2013.9.2−11.16

 

訪問日:2013年10月15日

 

私が訪問した日は、折悪しく東京に10年ぶりの大雨の台風がきている最中でした。午後からは雨がかなり降ってきたため、武蔵野美術大学までの移動が大変でした。

 

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ちなみに、翌日の大学はほとんど休校でした。当たり前でしょうけど。

 

さて、本題ですが、「13人のドイツ・コミック作家展」は、以前から気になっていたので、機会があればぜひと思っていました。今回、別件で、東京に出てきていましたので、時間を利用して、訪れることにしました。

 

 

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こちらが、美術館正面玄関。いい感じの建物ですね。同時開催中の平野甲賀展もみたいところでしたが、今回は時間も限られていましたので、ドイツ・コミック展に絞って行くことにしまた。

 

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フロアは白を基調にしており、照明はやや押さえ気味にしており、落ち着く空間を演出していました。さすがに台風が来ている時に、美術館に来る人はあまりいませんでしたが、それでも熱心な学生が、何人か鑑賞していました。人が少ない分だけ、私にとっては、貴重な空間を専有できましたので、満足感は高かったですが。

 

 ※なお、写真撮影の許可はあらかじめ、いただいています。

 

公共図書館員なら一度は見たことのある、ヴィルヘルム・ブッシュの「マックスとモーリッツ」が、ドイツ・コミックの源泉なんですね。今回の作家展にも原書の展示もありました。私は、「マックスとモーリッツ」は、古典絵本としてしかみていなかったので、やや意外な気がしました。

 

ヴィルヘルム・ブッシュの簡単な略歴はこちらから。

http://ja.wikipedia.org/wiki/ヴィルヘルム・ブッシュ

 

今回の作家展にも、ブッシュの絵を彷彿とさせるものもありました。

 

それは、さておき、ドイツ・コミックの印象はというと、

 日本のサブカルチャー「マンガ」の影響を色濃く反映している。

 ドイツ人特有の、深遠さ

 コミックと美術の境界線の曖昧さ

などがあげられるように、思いました。これは人によって、捉え方が異なるものですから、あくまで、私見です。

 

クリスティーナ・プラカ(Christina Plaka)

彼女の作品は、一見して、日本のマンガ文化を取り入れているのがよくわかります。間の取り方や、人物のとらえる角度など、普段は日本人が意識しない要素を、非常によく研究されているんだろうなといことがよくわかる、作品です。

それにしても、本には「Tokyo pop」と表示があるのは、叢書ってことなんでしょうかね?ほかの作家の作品にも「Tokyo pop」と表示されていましたので、おそらくそういうことか?

 

アルネ・ベルシュトフ(Arne Bellstorf)

作家展のパンフレットには、ベルシュトフとありましたが、ベルストルフが正しいのかもしれません。外国の人名は読みが曖昧なので、よくわかりませんが。

彼の作品の特徴は、独特の重苦しさとでもいうものでしょうか。これ、普通に小説でもいいんじゃないのと思いたくなるような、奥行きの深さは、日本のマンガ文化にはあまり見かけないものですね。ただ、彼の描く主人公たちはどこか憎めないというか、親近感のあるキャラクターなので、先述した重苦しさは、小説にしたときより、軽いものがあるように思いました。

 

イェンス・ハーダー(Jens Harder)

彼の作品は、アメコミの影響も強く受けているようにも見えますが、「Alpha…directions」などをみる限り、美術とコミックの境界線のない作家のように思いました。この作品は、圧倒的な構想力とその画力で、ぐいぐい引き込まれます。

 

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右側の絵が、ザシャ・ホマーの絵です。彼の、コミックにはよくこういったキャラクターが出てきますが、どことなく日本のキャラクターを思い浮かべてしまうのは、私だけでしょうかね??

彼の作品には他にも、「昆虫」(INSEKT)という、ほとんどカフカの「変身」から着想を得たんじゃないかと思うくらいの面白いコミックがあって、これは、日本でも翻訳したら、けっこう評判になるんじゃないかなと思ったりしました。

左側の作家さんは、ごめんなさい、名前が出てこないのですが、非常に印象が強く残りました。この作家の絵は、日本のイラストレーターが好みそうな気がします。絵本で、こんなキャラクターがあれば、図書館を中心にかなり注目されそうな気もしますが。

 

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これは、マーヴィル(Mawil)の作品です。マンガとも絵本とでも言えそうな絵です。ドイツ・コミックを翻訳出版しても、商業ベースにのせるにはまだ時間がかかりそうですね。どちらかというと、YA絵本あたりで、図書館にターゲット絞れば、それなりに売れそうな気がしますけどね。図書館員はこういう、マンガけっこう好きだと思いますよ。

 

最後に、展示会の会場風景を2枚。

 

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入るとこんな会場で、展示されている作品は、およそ4,50点はありました。

展示も工夫をされていて、コミック作家ごとに展示されていました。また、コミックはドイツ語で展示されていますが、横に日本語も転記されていますので、ドイツ語がわからなくても支障はありません。

 

また、この展示の向かい側には、作家のカタログや、原書がならんでしました。こんな感じです。

 

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展示空間内に長椅子もあり、自由に手に取って閲覧することが可能です。

長居しても、気にならないいい感じの空間でした。

 

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クリスティーナ・プラカの、この本を立ち読みさせてもらいました。日本のマンガ飛んでいるよう変な気持ちになりました。これは、「Tokyopop」と表示されていました。納得しました。

 

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他に、イェンス・ハーダーの「Alpha...directions」という作品です。これは、先ほども述べましたが、絵のタッチ、内容の濃厚さなど、すでに、マンガの領域を超えているように思いました。

 

私は、2時間ほどで、回りましたがもっとゆっくりと、鑑賞したい方は、やや時間に余裕を持った方がいいと思います。異なる文化のマンガを理解しようとすると、意外と時間がかかるものです。

 

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* 「13人のドイツ・コミック作家展」           *

*   会場:武蔵野美術大学美術館 展示室2        *

*     JR国分寺駅からバスに乗るのが、わかりやすいです。*

*   期間:2013年9月2日−11月16日         * 

*   入場:無料                     *

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