「朽ちるインフラ」議論では公共施設の老朽化が注目されるようになりましたが、公共施設が老朽化する問題と共に、老朽化せずとも使わなくなって放置されている公共施設も少なくありません。

地方とかいくとすごい綺麗に建てなおされた放置されている小学校とかみると、なんで小学生の人数が減少するのがわかっているのにこういう施設を新規開発し、なおかつ予定通り閉校して放置されていたり、適当な使われ方が終わったりしているのか、大変不思議かつ、政治的意図を感じて腹立たしく思うこともあります。

なんとなく朽ちるインフラ→老朽化しているから立て直し、みたいな話になってしまったりして、立て直しの数を少なくしようとかそういう話から切り込まれることが多く、古い施設だけを順番に閉じて、まだ新しい余っている施設に寄せたりなどの再利用に関する考え方がまだまだ少ないと感じています。
もしくは、発想がとても硬直的かつ限定的なので「やっぱり無理」みたいな話になってしまう。

財政的に厳しい状況下で、安易に「用途を変えるために建て替える」という従来のやり方を行使できるとは限らず、「いまある公共施設の利活用する」という方法が積極的に用いられる必要もあります。そのためには、公共施設の用途変更などを含めた検討はもっと従来にはないレベルで自由に考えられて当然です。先日、馬場正尊さんが「RePublic 公共空間のリノベーション」という本を出されました。公園、役所、水辺、学校、ターミナル、図書館、団地という複数の公共空間をリノベーションしていくアイデアなどを書かれた本です。例えば、朽ちるインフラ問題を捉えて、公共施設白書自体を作ったもののどうしたものか、と悩んでいる財政担当や、運営方法の転換を考える公共施設などの担当者の方とかにもう少し発想を柔らかくするためにこのような本は使えるでしょう。