パキスタンの刑務所の子どもたちに識字を! 図書館の設置運動
刑務所内には本はあったが、しかしそれはイスラム教の聖典であるコーランだけであった。子どもたちは算数も理科も歴史も学びたい。そして物語や美しく楽しいイラストのある絵本や新聞を手にしたいと訴えてきたのであった。私はこの訴えを聞いてすぐに、刑務所長と話をした。そして新しく刑務所の中に「子ども図書館」を設置する活動を開始した。そして識字教室の設置も始めた。これは南アジアでは初めての子ども図書館の設置であったが、図書館が出来上がるまで実にいろいろの障害があったが、常に粘り強い説得を続けながら刑務所の関係者や新聞を通じて世論を変えていったのが成功の原因だった。
http://d.hatena.ne.jp/iclc2008/20130926/1380165020
これは、すごい活動報告です。パキスタンでしかも刑務所の子どもたちに、読書の機会を提供しようとする壮大な試み。まだまだ、政情も不安定なパキスタンで、どうして図書館の設置を考えたのか。そこには、子供たちの素朴な本への期待。知ることの喜びがありました。日本では、豊かになりすぎて忘れ去られている「教育の原点」がそこにはありました。
報告を読んでいる私も、興奮しながら読み入ってしまいました。
人は知識を求めている、そこには、貧富の差はないわけです。今、公共図書館がしなくてはならないことは何なんでしょう。従来のサービスだけでは、もしくはその補完をするだけでは、人の持つ知識への素朴な要求には十分に答えきれなくなっているのではないか。私はそんな感想を持ちます。